自分にあった保険の選び方シリーズ、今回は医療保険です。これは、病気やケガで治療のために入院をしたり手術を受けたりした場合の保険です。
医療保険はよく「いろいろありすぎて選べない」といわれます。
ただ、一見そう見える医療保険も、これからご紹介する5つのポイントをチェックすればそれがどんな保険か?わかります。
そして、そのポイントを押さえたうえで、最終的に細かいところを比較検討していきます(最初から細かいところまで見るから、わからなくなるともいえる)
こうすることで、あなたにあった医療保険が見つかりますよ。
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ちなみにぼくは余分な保障のついていないシンプルな保険が好きです。
いろいろ保障をつけると結局、保険料が高くなるし、どんな保険に入っているのか?わかりにくくなるので。
「ここは自分のお金で何とかするよ」
と不要な保障をカットしていきます。もちろん、ここは好みですが(つい、あれもこれもとつけたくなるんですよね。でもこれは保険貧乏への道)
今回は、細かい話は抜きにして、そのコアとなる5つのポイントを超基礎からお伝えしていきますね。
ちょっと長くなりますが、途中で切るとわかりにくくなってしまうので一気にいきますね。
※この記事では一般的な医療保険のお話をしています。詳しくは各保険会社のパンフレットなどをご参照ください。
【ポイント1】入院1日いくら?(入院日額)
1日入院したら5,000円とか1万円とか選びます。5,000円以上1,000円単位で選ぶことができる保険会社が多いです。
1日5,000円タイプの保険料は1日1万円タイプの基本、半分です。
かつては5日以上入院しないと受け取れないタイプがありました。今は1日目からがほとんどです。
高額療養費制度
入院日額(入院1日いくら?)を決める際は、国の健康保険制度である「高額療養費制度」を踏まえたうえで考えます。
日本の健康保険制度はすばらしく、自己負担3割(働き盛り世代)だけでなく、1か月あたりの上限も設けてくれています(お給料から天引きされる健康保険の保険料も高いですが・汗)
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この高額療養費制度は、同じ月(1日~末日)にかかった医療費の自己負担額が高額になったとき、限度額を超えた分が払い戻される制度です。対象となるのは健康保険が使える治療です。
(健康保険が使えない先進医療、美容整形、歯科矯正などは対象外)
年齢や収入によって異なりますが、一般的な収入の場合、1か月の限度額はおよそ9万円弱(70歳未満・年収約370万円~約770万円の場合)。1か月の自己負担が100万円になっても約91万円戻ってくるってことです。
医療費の自己負担割合:高額療養費制度(厚生労働省)↓
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d-37.html
事前に申請すれば、限度額を病院の窓口で払えばすむようにもできます(限度額適用認定申請)。立て替えるのも楽でないですから。
手続きは各健康保険の窓口にします。会社員の方は総務経理の方に聞けばわかります。国民健康保険の方は市区町村役場です。
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その他、
・高額の医療費が長期にかかったとき(多数回該当)
・同じ世帯の人が複数で病院にかかったとき(世帯合算)
・医療保険と介護保険をあわせて自己負担額が高額になったとき(高額介護合算療養費制度)
などの制度もあります。
この制度を細かく把握するのは大変ですから、「もしかして使えるかも?」と気づけるようにしておけばOKです。
気づければ自分で調べるなり、病院の窓口などで質問できますよね。この制度は自分で申請しないと使えないので注意が必要です。
【ポイント2】手術を受けたら?(手術給付金)
手術を受けた場合、その種類に応じて入院日額(1日いくら?)の5倍、10倍、20倍、40倍といった手術給付金が受け取れます(一律20倍というタイプもある)
例えば、1日1万円タイプの場合、20倍に該当する手術を受けたら20万円受け取れます。
今は日帰り手術(入院なし)でも手術給付金を受け取れるタイプが多いです。一応、チェックしましょう。
【ポイント3】1回の入院で何日まで保障されるか?
1入院60日タイプが主流
今は入院日数が短期化しているので、1回の入院あたり60日まで保障する医療保険が主流です(保険料を抑えるため)。例えば70日入院した場合、60日分まで出るということです。
三大疾病・生活習慣病は日数延長するタイプが人気
基本は1入院60日で、三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)は入院日数無制限、該当する生活習慣病の場合は120日までなどと日数を延長するタイプが人気です。
こうした日数は入院日数の平均を参考に考えられています。
入院日数の平均(生命保険文化センター)↓
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/medical/3.html
1入院120日タイプも検討の余地あり
ちなみに1入院120日やそれ以上の日数を選べる保険会社もあります。入院日数が短期化しているので、120日タイプの保険料が以前より安くなっています。
三大疾病や生活習慣病以外にも長引く病気はあるので、120日タイプも検討に値すると思います。
1入院60日のカウントの仕方とは?意外な盲点
1入院60日といったときのカウントの仕方には注意が必要です。
退院して180日間(約半年)たたずに同じ病気や関連する病気で再入院すると、それは1入院とカウントするのが一般的です。
例えば、ある病気で40日間入院して、退院後180日たたずに同じ病気で30日間入院した場合、あわせて70日とカウントします。1入院60日タイプの場合、60日分までしか受け取れません(10日分は出ない)
トータル(通算)の限度日数もある
1入院60日という限度とは別に、トータル(通算)で1000日までといった限度もあります。この場合、10日間の入院を100回したら1000日で限度となります。
これに該当することは、そうはないとは思いますが。
【ポイント4】保障期間は?
保障期間にはおもに3つのタイプがあります↓
・終身タイプ(保障は一生涯)
・一定の年齢までのタイプ(例:保障は60歳まで)
・定期タイプ(例:保障は10年間)
保障期間は保険料に影響します。例えば、30歳の人を10年保障するのと、60歳の人を10年保障するのとではリスクが全然違いますよね。
この理屈から、10年更新タイプの医療保険は、10年ごとにやってくる更新ごとに年齢が上がるので保険料が高くなっていきます。
最近はこれを嫌って保険料が一生変わらないタイプの終身保険が人気です。
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ただ、更新タイプと終身タイプをうまく組み合わせる方法もあります。
ベースは終身タイプの医療保険にして、働き盛りの時期に医療保障を上乗せしたいときに10年タイプや60歳までといった保険を上乗せします。
【ポイント5】保険料の払い込み期間は?
終身タイプの医療保険は保険料の払い込み期間を選べるものもあります。
保障は一生涯で保険料の払い込みは60歳、65歳までといった感じです(短期払い)。こうすることで、老後の負担を減らすことができます。
もちろん、当初の保険料は一生涯払うタイプ(終身払い)よりも高くなります。いい医療保険が出たら乗り換えるかもという方は終身払いにした方がいいかもしれません。
その他の保障やオプションは?
以上が医療保険を選ぶ5つのポイントです。あとはパンフレットを見ながら、細かいところを比べていくことになります。
ただ、その保険のコアな部分は見えているので、比較しやすいと思います。
逆に、「この保険はこの保障がついているから保険料が高いんだな」と見抜けるようになります。あとはその保障が自分にとって必要かどうか?判断すればいいわけです。
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また、メインの保障にオプションで保障をつけられる医療保険も多いです。でも、これをつけすぎると保険料が高くなってしまいます。
以下、よくある特約についてご説明します。
先進医療特約
先進医療を受けたときの保障です。ここでいう先進医療とは、厚生労働省が定めた先進医療です。一般的な先進的な医療という意味ではありません。
この治療は健康保険が使えず、なかには治療に数百万円かかるものもあります。先ほどお話した高額療養費制度も使えません。
今のところ先進医療特約は月に数百円程度の保険料で医療保険に追加できます。受ける機会が少ないからです。
でも、これは「保険の得意分野」といえます。めったに治療を受けることはないけれど、受けることになったら大きなお金がかかることがあるからです。
今はほとんどの医療保険に追加できて、ほとんどの方が追加していると思います(最初からついているものが多い)。わざわざ外す必要はないと思います。
がん診断一時金
ベースとなる医療保険にがんになったときの一時金を追加するものです。がんと診断されたら100万円という感じです。
以前は一時金は1回だけでしたが、今は条件を満たすと複数回受け取ることができるタイプが多いです。
また、上皮内がん(大ざっぱないうと初期のがん)が対象となるか?確認しましょう(今の保険はほとんど対象になっていると思います)
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単独のがん保険に入るか?医療保険の特約で一時金をつけるか?の選択になると思います。
がん保険に入るほどではないけれど、医療保険だけでは不安。こんな場合に追加する人が多いようです。
オプションはキリがないのでこの辺りにしておきます。
最後に
今回は医療保険についてお話してきました。
いろいろな保障や商品があるので、話し始めるとキリがありません。必要最低限のポイントをお伝えしようとしたのですが、それでもかなり長くなってしまいました。
今回お話したポイントを押さえてパンフレットを読んだり、保険屋さんに相談したりすれば、自分にあった保険が見つかると思います。
わからないことは確認して、納得したうえで保険に入ってください。詳しくていねいに説明してくれる担当者さんを選ぶことも大切です。
それでは、今日のお話は以上です。次回は学資保険です↓
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