家計簿不要!シンプルに家計を管理する方法

家計簿不要。家計管理

おはようございます。群馬県高崎市のファイナンシャル・プランナー(FP)牛込伸幸です。

今日も自分のできることを、たんたんとやっていきたいと思います^^

今回は、ぼくが実際に使っている、家計を管理する方法をお伝えします。あなたは、こんなお悩みはありませんか?

「ムダ使いしているつもりはないのに、なぜか貯金ができない」
「家計簿が苦手で長続きしない」
「家計簿はつけているのに、効果が感じられない」
「今のままで大学の教育費や老後資金は貯まるの?」
「つみたてNISAをしたいけど家計に余裕がない」

この記事は、あなたのこんなお悩みを解決したいと考えてつくりました。でも、何を隠そう、ぼく自身も家計の管理で悩んでいたのです。

仕事がら「無理のない住宅ローンの組み方」「必要最低限の保険の入り方」みたいな知識はありました。でも、浮いた分で貯金ができたわけではありません。

いろいろな家計簿を試したり、レシートを保存して月末に集計したりもしてみましたが、どれも長続きしませんでした。

そこで「できるだけ少ない作業で」「家計の必要最低限のことはしっかりと把握できる」方法を試行錯誤しながらつくってきました。

特に「日々の支出を記録しない」点にこだわりました。

これからお伝えする方法は、その後も細かな試行錯誤は続いていますが、今の形に落ち着いてから20年以上、実際に自分で使っています。

ぼくの事務所のお客さまやインターネットの講座でご紹介して、ご好評をいただいています。

基本的な方針はこうです↓

・「しくみ」がシンプルでわかりやすい
・家計簿不要
(日々の支出は記録しなくてOK)
それでいて、家計の必要最低限のことはちゃんと把握できる


その結果、

・無理なく自然と「収入の範囲で暮らせる」ようになる
・必要なときに必要なお金が貯まる
(自信と安心感が生まれます)


こうなるためには、考え方や習慣も大切です。

家計の「しくみ」だけでは限界があります。やっぱりここが整っていることが大事。

もちろん、気合いや根性、ガマンではなく、無理せず自然とできるマインド(考え方)やしくみです。

もちろん、家計簿をつけている方にも役立ちます。家計のしくみを整えたうえで、家計簿で支出を記録すれば最強ですね。

・・・

それではさっそく始めます。

お金のことをあまり気にしないで(もちろん、ちゃんと管理してですよ)暮らせることを目指して、一緒にがんばりましょう!

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家計のお金は3つに分ける

家計のお金は3つに分ける

できるだけシンプルな方法で家計を管理するといっても、ひとつの銀行口座でお金を管理すると、うまくいきません。

細かく分けすぎるのはよくありませんが、最低限、分けた方が逆に管理が楽になります。

いろいろ試したのですが、家計のお金は3つに分けるとうまくいきます。では、順にお話していきます。

【ステップ1】貯金口座をつくる

貯金口座をつくる

お金をひとつの銀行口座に入れておくと、

・今いくら貯まっているのか?
・今月はいくら使っていいのか?

これがハッキリしません。銀行口座の残高を見たときに、500万円入っていたとしても、

・来月、クルマを買い替える予定がある
・大学の教育費や老後資金のつみたて貯金も入っている

としたらどうでしょう?

使う予定のあるお金を差し引くと、実は「使っていいお金はあまりなかった」なんてことも。

・・・

もちろん、ひとつの口座で管理して、内訳を計算して「今いくら貯まってる?」「あといくら使っていい?」を把握することはできます。

でも、計算しないとそれがわからない。このひと手間が「壁」になります。

そして、結局「貯めるお金」と「使うお金」の境界線があいまいになってしまいます。

ぼくも、最初、ひとつの銀行口座で管理しようと試みました。でも、うまくいきませんでした。

・・・

また、口座を一緒にして「貯めるお金」と「使うお金」の境界線がないと、何となく使ってしまうものです。

逆に、いくら使っていいのか?わからなくて、安心してお金を使えないなんてこともあります。

・・・

そこで、クルマや教育費、老後資金など貯めるお金(貯金)を専用の銀行口座を作って分けます。

口座を分けるのがポイントです。すると、今いくら貯まっているか?今月はあといくら使っていいか?銀行口座の残高を見ればすぐにわかります。

こうすることで「使っていいお金」と「貯めるお金」に境界線ができます。

そして、お給料(収入)が出たら、毎月、決めた金額をこの2つの口座に配分します(詳しくは後ほど)

家計のお金→
・使うお金(生活費口座)
・貯めるお金(貯金口座)

【ステップ2】特別支出口座をつくる

特別支出

やっていくとわかるのですが、先ほどお話した貯金口座をつくって、「貯めるお金」と「使うお金」の2つに分けるだけではうまくいきません。理由はこうです↓

毎月の予算を「使うお金」(生活費口座)に入れて、3か月ほど続けると、自分に合った毎月の予算が見えてきます。

「毎月○万円あれば暮らせるな」と、わかってきます。

ただ、何もない月はいいのですが、たまにある、ちょっと大きな支出(特別支出といいます)があると、すぐに毎月の予算をオーバーしてしまいます。

例えば、テレビなど家具家電の買い替え、子どもの部活道具、塾の夏期講習、自動車税、家族旅行、友人の結婚式など。こういった支出は結構あるものです。

毎月の生活費は一定でも、特別支出があると、毎月の支出がバラバラになります。これでは毎月の予算を決めても管理ができません。こんなイメージ↓

特別支出の例

そんなとき「今月はテレビを買ったから、食費を切り詰めて…」なんてムリですよね。

結果、こうしたちょっと大きな支出のたびに、貯金を取り崩してしまう結果になります。

「子どもの教育費のつみたてを始めて貯まってきたのに、車検で仕方なく使ってしまった…」こんなことはよくあります。

そこで、こういった「たまにあるちょっと大きな支出(特別支出)」に対応するための「枠」をつくります。貯金と同じく、専用の銀行口座も作ります。それが特別支出口座です。

使うお金(生活費口座)→
・毎月の生活費(生活費口座)
・特別支出(特別支出口座)


これで、家計のお金は3つに分けるの完成です↓

家計のお金は3つに分ける
・貯金
(貯金口座)
・毎月の生活費(生活費口座)
・特別支出(特別支出口座)


特別支出はわかりやすい基準がないと、これは生活費?特別支出?となってしまいます。そこで、「特別支出」の定義は「毎月は使わない、5,000円以上の支出」としています(1万円以上でも構いません。詳しくは後ほど)

こうすることで、

・「毎月の生活費」は毎月の予算を決めて、そのなかでやりくりできる
・ちょっと大きな支出があっても「貯金」は目的以外では取り崩さない

こんな感じでお金の流れを整えることができます。


●生活費と特別支出の見極め方

最初は「これって特別支出?毎月の生活費?」と迷うことがあるかもしれません。そこで具体例をみてみます。

特別支出の定義は「毎月は使わない、5,000円以上の支出」でした。

例えば、住宅ローンの返済が毎月8万円の場合。金額は5,000円を超えていますが、毎月あるので「特別支出」ではなく「毎月の生活費」です。

1,000円のマグカップを買った場合はどうでしょう?

マグカップは毎月は買いませんよね。でも、これをいちいち「特別支出」にすると管理が大変です。ですから、5,000円未満は「毎月の生活費」です。

テレビを買った。これはドンピシャで「特別支出」です。毎月は買わないし、金額も大きいので。

衣類をまとめ買いしたら5,000円以上だった。これは「特別支出」でいいでしょう。ひとつひとつは5,000円未満でも、トータルで考えます。


●5,000円?1万円?特別支出の基準

5,000円という基準もいろいろ試してみてください。

基準となる金額が低すぎると「特別支出」の件数が多くなって管理が大変になります。

逆に、基準となる金額が高すぎると、何でも「毎月の生活費」になって、予算内でやりくりすることが難しくなります。

最初は5,000円か1万円で試して、あう方を採用すればいいでしょう。

どちらがいいということはありません。やりながら自分にあう金額を見つけていってください。

特別支出の基準を5,000円以上にすれば、「毎月の生活費」の予算は少なくなり「特別支出」の予算は大きくなる。

逆に、1万円以上にすれば、「毎月の生活費」の予算は大きくなり「特別支出」の予算は少なくなる。

というだけです(予算配分の方法は今後ご説明しますね)

・・・

最初は「これって特別支出かな?毎月の生活費かな?」迷うこともあると思います。

でも、慣れてくると、自分なりの基準ができてきます。とにかく統一的な基準で運用できればOKです。

あまり難しく考えすぎずに、まずは実践してみてください。


●特別支出は年間100万円以上!?

ぼくが特別支出という枠をつくって感じたのは「ちょっと大きな支出は、ちょくちょくある」ということです。

季節ごとに衣類を買ったり、進学・進級シーズンには学用品や体育着、部活道具、夏休みになれば家族旅行や帰省、塾の夏期講習などなど。

また、ぼくの住む群馬県は持ち家、クルマ2台保有のケースがよくあります。固定資産税、火災保険、自動車税、自動車保険、車検、タイヤの買い替えなどがあります。

よくあるケースだけでも、特別支出は年間だいたい100万円以上になります!

ちょっと細かいですが、ざっと見てください。どれもありそうなものばかりでは?↓

【特別支出の例】
固定資産税(自宅)年間10万円
火災保険(自宅)7万円
自動車税(1台目)4万円
自動車保険(1台目)5万円
自動車税(2台目:軽自動車)1万円
自動車保険(2台目)4万円
車検(1台目のみとして)10万円
タイヤ(1台目のみとして)4万円
家族旅行10万円
ディズニー7万円
帰省(夏)3万円
帰省(年末年始)5万円
交際費・冠婚葬祭5万円
衣類まとめ買い(夏)3万円
衣類まとめ買い(冬)5万円
夫のスーツ3万円
子どもの部活道具 1万円
夏期講習、冬期講習、春期講習 10万円?
テレビ5万円
エアコン15万円
【合計】117万円

これで年間合計117万円です。特別支出に年間100万円も!と驚くと思います。

実際、ぼくが自分で記録をつけたり、お客さまにやっていただいたりすると、100万円以上になっているケースが多いです。


●思うように貯金ができないワケ

先ほどもお話しましたが、特別支出的な支出を「今月は余裕があるから生活費から出しておこう」「今回は仕方ない、貯金を取り崩そう」と、その場その場で対応していると、気がつけば貯金が増えていない、そんな状況に陥ります。

実は、ぼくも同じ悩みを持っていました。

貯まってきたと思ったら取り崩す…これでは「本当はいくら貯まっているのか?」わからなくなります。

原因は、このような「ちょっとした大きな支出は、ちょくちょくある」という認識がなかったこと。

つまり、予算が確保されていないことです。

予算を組んでいないのに、毎年100万円以上もお金出ていったら、思うように貯金ができないのも当然です。

・・・

そこで「毎月の生活費」と「貯金」とは別に、「特別支出」という予算の枠をつくって、その分を確保することにしたのです。

そうすると「貯金」は、クルマやマイホーム、教育費、老後資金など、目的以外では取り崩さなくなります。

目的に向かって、着実に貯まっている感覚を持つことができます。目標との距離も明確なので計画も立てやすい。

「毎月の生活費」は、予算を決めてそのなかでやりくりするしくみが機能します。使って大丈夫という安心感も生まれます。

まさに「特別支出」は家計のクッション役です。

「特別支出」を設定すると、逆に「毎月の生活費」がグンと減ります(やっていくとわかりますよ)

「毎月の赤字をボーナスでカバーしている」というご家庭は多いと思います。でもこれは、「特別支出」的な支出を「毎月の生活費」から出していたことが原因だったのかもしれません。

【ステップ3】生活費口座&家計の財布をつくる

生活費口座

これまで「家計のお金は3つに分ける」というお話ししてきました。

家計のお金は3つに分ける
・貯金
(貯金口座)
・毎月の生活費(生活費口座)
・特別支出(特別支出口座)


まず「貯金」を分け、次に「特別支出」を分け、最後に残ったのが「毎月の生活費」です。

このお金で毎月やりくりできれば、必要なときに必要なお金が貯まり(貯金)、家具家電などたまにあるちょっと大きな支出(特別支出)にも対応できます。


●毎月の生活費は、銀行口座とお財布で管理

毎月の生活費は、住宅ローンや家賃、公共料金など口座引き落し分と(生活費口座)、食費や日用品、レジャーなど現金支出分(家計の財布)に分けて管理します。

毎月の生活費→
・生活費口座:家賃や公共料金など口座引き落とし
・家計の財布:食費や日用品、レジャーなど現金支出


最終的にまとめると↓

家計のお金は3つに分ける
・貯金→貯金口座
・毎月の生活費→生活費口座&家計の財布
・特別支出→特別支出口座


※貯金口座は銀行、証券会社、保険会社など預け分けることもあるので、複数あっても構いません。

お給料が入ったら、銀行口座3つとお財布1つにお金を配分します(配分の方法は今後ご説明しますね)

そして、日頃は目的別にお金を出し入れします。

・スーパーで現金で買い物をしたら「家計の財布」から
・住宅ローンや公共料金の引き落としは「生活費口座」から
・テレビを買ったら「特別支出口座」から

特別支出的な支出は、実際には立て替えて、あとで清算するかたちにしても構いません。それほど件数の多くない支出ですからね。


●銀行口座の選び方

生活費口座は、ぼくは近所の信用金庫さんの口座を使っています。ネットバンクが便利なのですが、公共料金(特に水道)に対応していないので。ただ、月に1回、入金しに行くだけなのでいいかなと。スマホで残高なども確認できます。

特別支出口座は、ぼくはセブン銀行さんの口座を使っています。セブン銀行のATMなら毎日7~19時まで入出金無料です。ローソン銀行さんも同じような条件です(2023年10月筆者調べ)

貯金口座は、ネット銀行を使っています。住信SBIネット銀行SBI証券という組み合わせです。住信SBIネット銀行はコンビニATMの入出金手数料が無料になる条件が緩いです(2023年10月筆者調べ)


●日頃意識するのは家計の財布だけ

銀行口座が多いので面倒なようですが、日頃、意識するのは、「家計の財布」だけです(食費や日用品など現金支出を担当)

・住宅ローンや公共料金などは生活費口座から自動で引き落してくれます
・特別支出はたまにしかありません
・貯金は目的以外では原則引き出しません

「家計の財布」に毎月〇万円と決めた予算を入れて、お財布の残高を軽く意識しながら月末までやりくりすればいいわけです。

こうすることで、支出を記録して月末に集計するタイプの家計簿と違って、月の途中で現金が半分以上残っていれば「今月は順調だな」、半分以下なら「ちょっと飛ばしすぎだな」と確認しながら家計を管理することができます。


●自分のお金と家計のお金はキッチリ分ける

家族のお小遣いは「家計の財布(現金)」の予算から出します。そのあとは、自分の財布と家計の財布は別にします。

これは主婦の方に多いのですが、自分のお小遣いを設定していないケースをよく見かけます。家計のことを思ってのことでしょう。もしくは、そもそもこういう発想がなかったのかもしれません。

でも、自分のことにお金を使わないのは無理な話です。スイーツを買ったり、雑誌を買ったり、お友だちとランチに行ったり…

こうなると、家のお財布から「遠慮がちに」お金を出す感じになってしまいます。

であれば、パパや子どもと同じように、自分のお小遣いを設定して、「気持ちよく」自分のほしいもの、やりたいことにお金を使った方がいいと思います。

また、こうすることで家計の状況も把握できます。

なかには「遠慮がちに…」といいながら、記録してみたら結構な額を使ってた!ということもあります(笑)

人は枠を決めないとズルズルと使ってしまうものです。

・・・

自分のお財布を作ったら、銀行口座とクレジットカードも自分用を作ります。

自分の欲しいものをネット通販で買うときは、自分のカードを使います。そして、その引き落しは自分の口座からします。

こうすると立て替えの手間が省けて簡単に明確に管理できます。

・・・

ここまでは「家計のお金は3つに分ける」でした(プラス、自分のお金を分ける)。次はこの3つに「予算をどう配分するか?」お話していきます。

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予算配分を決める(貯金・毎月の生活費・特別支出)

予算配分

ここからは、毎月のお給料やボーナスなどの収入を

・3つにどう配分するか?
・それぞれの予算をいくらにするか?

お話していきます。

予算配分で暮らしの満足度が決まるといっても過言ではありません。必要なお金が必要なときに貯まるか?もここで決まります。

そんな重要な「予算配分」を決めていきましょう。

・・・

でも、難しく考える必要はありません。

これからご説明する方法で予算を決めて、実際にやりながらあなたにあった予算配分を見つけていってください。

よく「貯金は収入の〇%」「食費は〇%」という目安や「食費の平均は〇〇円」といったデータを目にします。

よくわからないうちは、こういったものを参考にするのはいいと思います。

でも最終的には、自分の価値観にあった予算や配分を見つけることが大切です。

やっていくと自然にそうなりますので、そこを目指して実践していきましょう。

では、ご説明していきます。

最初は「収入」を把握して、「いくら使えるか?」確認します。

収入を把握する

収入の安定した会社員の方と、フリーランス・自営業の方では、収入の把握の仕方が異なります。まずは会社員の方から。

 ●会社員の場合

会社員の収入把握

比較的収入の安定したサラリーマンの方は簡単です。ただ、残業代などで多少、デコボコはあると思います。

例えば、毎月の手取り収入が30万円→28万円→31万円…という場合、

低いところを取って28万円でいいでしょう(特別な事情があって低い場合は、無視していいですよ)

28万円を超えた分は「貯金」や「特別支出」に回します(なかった「つもり」貯金)

・・・

次はボーナスです。

会社員の方でも、ボーナスは安定しない場合があると思います。

ここは、ほぼ確実に見込める金額と考えてください。

過去のボーナス(口座入金額)を確認するだけでも構いません。

予習的になりますが、ボーナスは「貯金」と「特別支出」に配分します。「毎月の生活費」には回さないようにしましょう。

毎月の生活費は毎月の収入でカバーするのが家計の基本だからです。


●自営業・フリーランスの場合

自営業・フリーランスの収入把握

自分でビジネスをしていたり、業績に連動した給与体系の会社に勤めている場合、毎月の収入が50万円→20万円→70万円…と安定しない場合があると思います。

(この金額は売上でなく経費を引いた「家計に入れられる分」と考えてください)

こんなときは「年間」で考えます。

年間で比較的安定しているなら、年間合計の「8割」程度を12か月で割った金額を毎月の予算とするといいと思います。

例えば、家計に入れられる分が年間合計が500万円の場合、

500万円×0.8÷12か月=33.33…万円から、33万円とします。

そして、この33万円を毎月のお給料のように家計に入れると管理がしやすいです(ビジネス用の銀行口座と家計の口座は分けます)

・・・

毎年の業績が安定しない場合は、先ほど「8割」とした割合を自分が「安心する」程度に下げます。

1年を終えて余裕があれば、会社員のボーナス的にその分を家計に入れてもいいですね。

収入が把握できたら、次はそれを「どういう配分で使うか?」考えます

予算を決める

予算配分

今度は、先ほど把握した収入を以下に配分していきます。

家計のお金は3つに分ける
・貯金
・毎月の生活費
(生活費口座&家計の財布)
・特別支出


予算は把握しやすいものから決めていきます。まずはいちばん簡単な「生活費口座」から。

生活費口座の予算

生活費口座の予算

「生活費口座」は、住宅ローンや家賃、公共料金、塾や習い事など口座引落の担当ですね。

生活費口座は、過去の銀行口座の引き落し状況を確認すれば、簡単に把握できます↓

画像


3か月分
くらいあれば把握できると思います。上の表では1か月の引き落しが14.3万円→15.4万円→14.4万円ですから、15万円でいいでしょう(水道の引き落しが2か月に1回だからちょっとバラつきが出ている)

3か月分ない場合はとりあえず今月分で計算して始めてしまってください。スタートすることが大事ですから。

・・・

電気やガスは年間で安定しない
と思います。夏と冬は高くなりますよね。

ここは年間の平均でもいいですし(だいたいでいいですよ)、高いところをとっても構いません。

水道代は自治体によっては2か月に1回の引き落しかもしれません。その場合は1か月あたりを計算してください。

「生活費口座全体で毎月〇万円」という決め方ですから、あまり細かく考えなくて大丈夫です。

このあたりもやりながら調整すればOKです。まずは予算を決めて、半年、1年やってみてください(残高不足にならないように10万円などキリのいい金額を予備で入れておきます)

いい機会ですから、スマホの料金プラン保険の見直し、動画配信のサブスクなど確認するといいと思います。

家計の財布(現金)の予算

家計の財布の予算

先ほどの「生活費口座」が「毎月の生活費」のなかの口座引き落し担当なら、「家計の財布」は、食費や日用品といった現金担当です↓

家計のお金は3つに分ける
・貯金
・毎月の生活費→生活費口座&家計の財布
・特別支出


生活費口座の予算は、過去の通帳を見れば予算は比較的すぐに決められます。

一方、食費、日用品、レジャー、家族のおこづかいといった現金支出はそうは行きません。

これはもう「やってみる」しかありません。これがいちばん簡単です。

とりあえず予算を決めて、それを家計の財布に入れて、1か月やってみてください。

旅行のとき「空っぽにしたお財布に3万円入れて、帰ってきたときに5,000円あったら、25,000円使ったんだな」とやったことはありませんか?

これと同じです。

こんな感じでとりあえず3か月ほどやると毎月の予算が見えてきます。

この方法なら日々の支出を記録することなく、「毎月の生活費」のなかの「家計の財布」(現金支出)が簡単に把握できます。

例えば、1か月の支出が10万円→8万円→9万円となったら、毎月の予算を10万円と決めて、今度は、その金額でやりくりすることを意識してやっていきます(家計全体のバランスから必要があれば予算を減らす)

特別支出の予算

家計の財布の予算

次は特別支出の予算を考えます。

特別支出とは、毎月は使わない1万円以上(または5,000円以上)の支出でした。家具家電の買い替えや家族旅行など。

毎月の生活費とは違い、特別支出は「毎月いくら」という予算の決め方はしません。

ある月もあれば、ない月もあるからです。しかも、あると金額が大きいので「毎月いくら」と決めてもうまくいきません。

・・・

そこで特別支出は「年間の予算」を決めてやりくりします。

特別支出の予算の決め方は「家計の財布」(毎月の生活費の現金担当)と同じです。「やってみる!」これしかありません。

とりあえず予算を決めて、それを特別支出の専用口座に入れて、半年、1年とやってみます。

銀行口座からお金を引き出したとき、何にいくら使ったか、メモしておくといいですね。

・・・

ただ、特別支出は、毎月の生活費「家計の財布」よりも、ブレ(変動)が大きいです。こんなイメージでした↓

特別支出の例

「家計の財布」は、毎月ある程度一定の支出になります。逆に、一定になるように、予算を決めてそのなかでやりくりする「練習」をします。

一方、特別支出は、その年によってどんな支出があるか?予想しきれない面もあります。

急にエアコンや冷蔵庫が壊れる…といったことがあるからです。ひとつひとつの金額が大きいので、その分ブレも大きいです。

場合によっては、貯金を取り崩さざるを得ないケースも出てきます。これは仕方のないことです。

でも、特別支出という予算を作らなかった場合と比べると、家計の安定度と管理のしやすさは格段にアップします。

この予算がないと、ちょっと金額の大きな支出があるたびに貯金を取り崩すことになってしまいます。

これでは貯金が貯金の役割を果たせなくなってしまいます。特別支出は家計のクッション役ですね。

・・・

ただ、不思議なもので、慣れてくると決めた予算のなかで、収まるようになります。

これも残高を見ながら、買うか買わないか、何を買うか考えながらやっているからだと思います。

・ある分で暮らす
・あれば買う、なければ買わない
・あったらいいなは、なくても平気

こんな考え方です。

・・・

特別支出を確保する方法は3つあります。

①ボーナスで
②毎月つみたてる
③上記の組み合わせ(①+②)


順にご説明していきます↓

①ボーナスで

ボーナスが安定的にまとまった金額出る場合は、ボーナス(またはその一部)を特別支出にあてます。

例えば、特別支出の予算を年間100万円とする場合、ボーナスごとに50万円あてます。


②毎月つみたてる

方法の2番目は、毎月つみたて方式です。

ボーナスが不安定だったり、金額の割合が少なかったり、そもそもボーナスがない場合は、毎月の収入から特別支出をつみたてます(特別支出口座につみたて)

同じく特別支出の予算を年間100万円とする場合、毎月8万円か9万円つみたてます。

100万円÷12か月=83,333…円


③上の2つを組み合わせる

毎月のつみたてと、ボーナスを組み合わせる方法もあります。同じく特別支出の年間予算を100万円とする場合、例えば、

・毎月5万円→年間60万円
・ボーナス20万円→年間40万円

合計100万円のようにします。

貯金は毎月いくらする?

貯金の予算

貯金の基本は先取りです。

できるだけ節約して、月末に余った分を貯金しようと思っても、窮屈(きゅうくつ)な思いをする割に、たいして貯められません(経験済み・笑)

「必要な貯金をして、その残りで暮らす」

こっちの方がスッキリして貯めやすいです。

・・・

「必要な貯金」としてまず考えたいのが「もしものお金」です。

急に仕事を失ったなど、緊急事態に備えるお金です。

入院・手術のときの医療保険など、保険で備える方法もありますが、すべてに対応できるわけではありません。

やはり何にでも使える現金が最強です。いわば「自分保険」

・・・

「もしものお金」は貯金ゼロから貯めるなら10万円、30万円、最終的には100万円を目指すといいと思います。

何かあったときに100万円あれば、ひとり暮らしなら5か月ほど、4人家族でも3か月くらいは暮らせると思います。

基本、使うことはないお金ですが、もしものときに100万円あると思うと、安心感が持てます。

こういうの、結構大事です。

・・・

また、3年後くらいにクルマを買い替えるとか、家を買いたい、子どもの大学の費用を貯めたいなど、「目的と時期」がわかることは逆算して貯金計画をつくります。

これについては長くなるので、別の特集でお伝えします。まずは、今お話している家計管理に集中してください。

家計が整うと、貯金できる額も増えますから。

・・・

まだ貯金の目標が定まらないといった場合は、「手取り収入の2割」といった目安を参考につみたて貯金をはじめてみてください。

例えば、1か月の手取りが30万円の場合、毎月6万円です(30×0.2)

5か月続けると、1か月分の手取り30万円になります。15か月(1年3か月)で90万円貯まります。

手取り収入の2割が厳しい場合は1割でも構いません。特に小さいお子さんがいるご家庭は、ママが働けないと2割は厳しいかもしれません。

さらに、もし今、毎月が赤字の場合は、まずは黒字化を目指しましょう。

できることからってことです。この講座で貯金体質の家計をつくっていきましょう。

(ちなみに、学資保険や個人年金保険など貯金を兼ねた保険に入っている場合は、それも貯金と考えてくださいね)

全体のバランスを整える

予算配分

これまで、収入と支出・貯金それぞれの予算を考えてきました。ここでは、それぞれの予算を書き出して、全体のバランスを考えます。

収入=支出+貯金

に調整するってことですね。例えばこんな感じです。金額はあくまで例ですよ↓

毎月の収入30万円→
・貯金3万円
・毎月の生活費27万円
(そのうち生活費口座15万円、家計の財布12万円)
・特別支出0万円
ボーナス(1回)60万円→
・貯金10万円
・特別支出50万円


ボーナスは毎月の生活費には予算配分しない
学資保険や個人年金保険など貯金を兼ねて保険の保険料は「貯金」に分類

・・・

繰り返しになりますが、これはあくまで暫定的に決めた予算です。まずはこの予算で実際に生活してみて、適切な予算を見つけていきます。

そのうえでまた全体のバランスを考えます。そして、必要があれば家計の見直しをします。

無理な貯金計画を立てるなど、いきなり節約から入ると長続きしません。まずは家計のしくみを整えることに集中してください。

そして3か月やってみてください。その頃には、家計の実態がわかってきて、課題も見えてくるものです。

・・・

次は、月末にすることと、まとめとして毎月のルーティンについて確認します。毎月、同じことを繰り返すことで、少しずつ適切な予算が見つかり、家計が整ってきます。

毎月のルーティン

ここでは、復習も兼ねて「毎月どんな流れで家計を管理するか?」ご説明します。大きな流れは、

毎月のルーティン

では、順に見ていきましょう。

【ステップ1】月初に予算配分

毎月同じ金額をそれぞれの銀行口座・お財布に配分します。「毎月同じ金額」が家計管理のコツ。先ほどの「毎月30万円」の例でみると(くどいですが金額はひとつの例ですよ)↓

【例】毎月の手取り収入30万円→
貯金3万円
毎月の生活費27万円(生活費口座15万円、家計の財布12万円)
特別支出0万円

※実際の手取り収入が31万円だった場合、差額の1万円は「貯金」か「特別支出」に(つもり貯金ですね)

※この例では「特別支出」はボーナスで出す計画。毎月の収入からの配分はゼロに。

現金で払う塾や習い事の月謝などは封筒に入れるなどして別にしておく。家族のおこづかいはすぐに渡してしまう。

給与振込の口座を「生活費口座」として使う場合、「生活費口座」の予算以外をほかの口座・お財布に移す。
上の例でいうと、手取り収入が30万円だった場合、生活費口座の毎月の予算15万円を残して、ほかの口座・お財布に移す(15万円移す)

【ステップ2】日頃は目的別に使う

予算を配分したら、あとはそれぞれ目的別の銀行口座・お財布からお金を出します。

・スーパーで買い物したら「家計の財布」(現金)
・住宅ローンや公共料金の引き落しは「生活費口座」
・テレビ(特別支出)を買ったら「特別支出口座」
・つみたてしていた貯金でクルマを買ったら「貯金口座」

とはいえ、日頃、意識するのは「家計の財布」だけでしたね。理由は↓

「貯金口座」は目的以外では取り崩さない(使うことはめったにない)
「生活費口座」は自動引き落し。予算配分をして、月末に引き落し状況をチェックするだけ
「特別支出」は、そう多くない(あるときは熟考。金額が大きいだけに日頃の節約が吹っ飛びます笑)

【ステップ3】月末に残高を確認

月末にそれぞれの銀行口座・家計の財布(現金)の残高を軽く確認します。

「家計の財布」(現金)にお金が残っていれば、今月は予算内でやりくりできたということ(日頃、お財布の残高を軽く確認しながらやりくりする)
「生活費口座」(口座引き落し)の残高が毎月少しずつ増えていれば、予算が適切な証拠(残高不足にならないように、10万円などキリのいい金額を予備で入れておく)
「特別支出口座」の残高を確認して、あといくら使えるか?軽く確認。使うたびに内容と金額をメモしておくと、あとで振り返ることができる。また、今後の支出の予定をメモしておくのも効果的(例:6月エアコン予定10万円?)
「貯金口座」の残高も一応確認

下のような表を作って残高を記録してもいいですね(毎月でなくても)。2月に前月比マイナスになっていますが、これは特別支出があったことが原因。「毎月の生活費」(家計の財布・生活費口座)の残高は安定しているので問題ありません。

画像

ちなみに、予算配分の作業は、月初(毎月1日)ぴったりにしなくても大丈夫です(大変ですよね)

・月末に残高を確認して、そのまま予算配分する
・または逆に、お給料が出たら予算配分しておいて、月末に残高を確認する

どちらでもいいのすが、毎月同じ順番でやってください。

ただ、「家計の財布」(食費など現金支出担当)は、「月末」に残高を確認してから、翌月の予算(現金)を入れます(それまでは封筒などで保管)。予算内でやりくりすることを目指してやっているので。

以下補足です↓
月末が休日で口座引き落しが翌月にズレた場合、引き落しが終わってから確認・記録する(毎月、同じ条件で残高を比べるため)

「生活費口座」は1つが理想。学校の引き落しなど、銀行が指定されている場合は仕方ない。

「貯金」用の口座は、定期預金、投資信託など複数あっても問題なし。

締め日は「月末」でなく「給料日」などでもOK。自分がやりやすい日で。

必要な貯金をして、その残りで暮らす(まとめ)

必要な貯金をしてその残りで暮らす

以上で「シンプルに家計を管理する方法」は終わります。最後まで読んでくださってありがとうございました。全体を振り返ると、

家計のお金を3つに分けて、
・貯金
・毎月の生活費(生活費口座・家計の財布)
・特別支出

収入をこの3つに配分します。

そして、それぞれの予算のなかでやりくりすることを意識します。

とはいえ、一度お金を分けて、それぞれの予算を決めれば、日頃、意識するのは「家計の財布」(食費や日用品など現金支出)だけです。

また、たまにあるちょっと大きな支出「特別支出」は、毎月ではなく、半年や年間で予算を決めて管理します。

あとは、これを毎月毎月繰り返していきます。

毎月、同じことをすることで習慣化していきます。続けることでお金の使い方が自然に整ってきます。

・・・

最初はこの文章を見ながらでないと作業できないかもしれません。もちろん、そうしてください。

でも慣れてくると、何も見なくてもできるようになります。これは料理と似ています。

何度も作っているレシピは何も見なくてもできますよね。自分なりのアレンジができるようになるかもしれません。

そうすると、作るときの心の抵抗が少なくなります。面倒だなという気持ちが減ります。

・・・

家計の管理もこれが目指すところです。

・お給料が出たら「予算配分のメモ」を見ながらさっとできる(そのうち覚えてしまう)
・月の途中「家計の財布」(現金)の残高をみて、半分以上残っていれば、「今月は順調だな」。逆に、半分より少なければ、前向きな軽い感じで「少し抑えめでいこう」「ある分でやっていこう」と。
・月末に残高を確認して「今月はどうだったかな?」と軽く振り返る。

これを続けることで、自分にあった適正な予算配分や、家計の見直し、節約のポイントが自分で「自然と」見えてきます。

・・・

こうやって、毎月、毎月、この家計ルーティンを続けることで、家計全体のお金の流れがつかめてきます。

その結果、家計をコントロールしている感覚を持つことができるようになります。

・毎月○万円あれば生活できる
・特別支出に毎年○万円確保している
・毎月(毎年)○万円つみたてをしている

こうなります。

無理をすれば短期的には結果が出るかもしれません。でも、必ずその反動が出ます。長続きしません。

しくみを整えて、残高を軽く確認しながら、ほどよい緊張感を保ちながらやっていきたいものです。

それではおわります。引き続きこのブログでは、家計管理の方法をご紹介していきますので、楽しみにしていてください。

今回の連載では家計管理を中心にお話したので、貯金計画作りを後回しにしました。それについては引き続き以下の記事を読んでください。

家計を把握したうえで貯金計画をつくると、自分にあった計画ができますよ。

そして、それができたら、今度はその貯金計画が実行できるように、家計の予算を見直していきます。

「必要な貯金をして、その残りで暮らす」これが最終的に目指すところです。

↓貯金計画の作り方はこちら

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牛込伸幸

「お金のことを気にしないで暮らしていけたらなあ」こう思って家計の勉強を始めました。もちろん、ちゃんと管理してですよ(笑)
銀行で7年、保険代理店で3年働いた後、2009年からFP事務所を始めました。どんなご相談でもお客さまの人生全体を見渡してトータルに考えるように心がけています。
趣味はジョギングとスーパー銭湯です。
【資格】日本FP協会CFP(R)・FP技能士1級

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