おはようございます。群馬県高崎市のファイナンシャル・プランナー(FP)牛込伸幸です。
今日も自分のできることを、たんたんとやっていきたいと思います^^
今回は、これからひとり暮らしを始めるという方、もう始めているけど家計を見直したいという方向けのお話です。
初めてひとり暮らしをするときは「1か月生活するのにいくら必要なの?」という感じかと思います。
また、今までは自分のお小遣いを管理する程度だったでしょうから、
「家賃や公共料金、食費など、どうやって家計って管理したらいいの?」
「月末にお金が足りなくなったらどうしよう」
と不安に思うかもしれません。
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そこで今回は、生活費の平均額を参考にして、それをもとに家計を管理する方法をお伝えします。
平均どおりに暮らす必要はありませんが、特に最初は平均額を使うとイメージしやすいと思います。
もちろん、とりあえず平均をまねして始めてみるというのもアリですね。
家計簿が苦手、家計の管理に時間をかけたくないという方も安心してください。
家計簿不要の簡単シンプルな方法をご紹介します。
それでは、さっそくはじめます。
ひとり暮らしの生活費はいくら?
下の表は、マンションやアパートを借りて、ひとり暮らしをしている人の生活費の平均です(2023年総務省家計調査/家計収支編/単身世帯/民営借家をもとに筆者作成)
1か月の支出の総額は189,252円。約19万円ですね。
内訳は大きく3つに分けることができます。
②現金支出系
③特別支出(たまにある、ちょっと大きな支出)
順にみていきましょう。
①口座引落系
家賃、電気・ガス・水道、スマホ・ネットなどで合計71,858円。ここは銀行口座から引き落しされるもののイメージです。
③特別支出
現金支出系は飛ばして、先に特別支出へ。これは「たまにある、ちょっと大きな支出」
合計すると24,970円。
家具・家事用品とは、主に家具家電(テーブルや電子レンジなど)
毎月買うわけではないので、平均すると1か月あたり5,236円になるということですね。
被服費(衣類やシューズ)も同じです。毎月4,675円買うわけではないですよね。
保健医療は持病があって毎月、お医者さんにかかっているという場合を除けば、たまに風邪をひいたり、ケガをして病院に行くという感じでしょう。これも1か月あたりの平均額。
②現金支出系
最後に現金支出系。これは口座引落系と特別支出を「除いたもの」というイメージです。合計すると92,424円。
食費、諸雑費(シャンプーや化粧品など日用品、美容室、お小遣いなど)などなど、銀行口座から引き落とすのでなく、毎月かかるような現金支出のことです。
ちなみに、現金支出系とはいっても、実際はペイペイやスイカなど電子マネーを使っている方も多いと思います。これも含めて現金支出系とします。
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ここまでをまとめると、
②現金支出系 毎月92,424円
③特別支出 平均すると毎月24,970円
合計189,252円。約19万円ということです。
予算をどう決める?
これをもとに毎月の予算配分を考えてみます(今回は平均額を使って計算しますが、ご自分の場合にあてはめて考えてみてくださいね)
完成イメージ↓
では、順にご説明します↓
①口座引落系
平均データの場合、口座引落系が71,858円なので、少し余裕をもって75,000円とします。
実際は自分の銀行口座を1、2か月分チェックすればわかりますよね。
表にある支出ほかにNHK受信料や保険、動画配信などサブスクも含めて予算を決めます。毎月、口座から引き落しされるもののイメージですね。
家賃はお住いのエリアによっては平均額の53,691円をオーバーするかもしれません。
もし、クルマを使っていなければ、現金支出系の「自動車関連」12,651円から予算を持ってくることもできます。
こんな感じで、ご自分の状況にあわせて調整してください。
ちなみに、家賃は「手取り月収の3割以内」が目安といわれます。手取りが20万円なら20×0.3=6万円ですね。
②現金支出系
現金支出系は92,424円なので9万円とします。ここは予算をオーバーしやすいところなので、のちほど管理の方法を解説します。
③特別支出
特別支出は24,970円なので、毎月2.5万円配分します。
特別支出(家具家電など)は、先ほどお話ししたとおり毎月安定的にある支出ではありません。
専用の銀行口座を作って、そこに毎月2.5万円をつみたてて、特別支出にあたる支出をするときにこの専用口座から払います。
特別支出の定義は「毎月はない、5,000円以上の支出」としています。
・家賃は5,000円以上ですが、毎月払うので特別支出ではない(口座引落系の毎月の生活費)
・靴下は毎月は買わないですが、5,000円未満なので特別支出ではない(現金支出系の毎月の生活費)
こんな基準です。
もう一度、全体像を確認します↓
現金支出系の管理
先ほど後回しにした現金支出系の管理です。ここはまとめて9万円という予算では大ざっぱすぎてうまくいきません。
そこで、現金支出はこう分けます(例)
・その他 4万円
・お小遣い 2万円
食費は1か月いくらの予算では長すぎるので、1週間単位の予算にします。
こうすると週の最後は「冷蔵庫の食材で…」とできます。もし、うまくいかない週があっても区切りをつけて新しい週のスタートを切ることができます。
具体的には、1か月の食費の予算を3万円とした場合、
・1週間5,000円×5週間
・お米や調味料などは1か月5,000円
これであわせて3万円です。
封筒に3万円入れて、週に1回5,000円を食費用の財布に入れてやりくりします↓
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次はお小遣いです。
予算を決めるとき「必要なもの」と「欲しいもの」という考え方があります。
晩ごはんの食材は「必要なもの」、おやつは「欲しいもの」という感じです。
自分がほしいものは中高生の頃のイメージでお小遣いを設定します。これも別のお財布を作るのがおすすめです。
お小遣い制のお父さんと同じです。
お小遣い専用のお財布を作ると、あといくら使えるか?ひと目でわかります。
お小遣いは金額を決めてそのなかで楽しみます。
友だちとの外食やレジャー、お菓子など、自分のほしいものはお小遣いから出します(泊りの旅行などは特別支出)
現金支出系の予算配分例↓
お小遣いの金額2万円について補足です。平均額の外食10,700円と趣味娯楽18,943円を合計すると29,643円になります。
とすると、お小遣いは毎月3万円でもよさそうです。
ただ、平均データの外食のなかには、楽しみでする外食だけでなく、時間がなかったり作るのが面倒だったりでファストフードで済ませる的なものも入っていると思われます。
これは外食(お小遣い)でなく食費になるとぼくは考えます(食費を減らそうと思ったらこの辺りがポイントになるってことですね。自炊最強です)
また、平均データの趣味娯楽費のなかに日用品的なものも入っていると思われます。
このようなことも考慮して、今回はお小遣いは2万円としてみました。
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ちなみに、お小遣いは「手取り月収の1割」という目安があります。
手取り月収が20万円の場合、20×0.1=2万円ということです。
ただ、収入の範囲で家計全体が回るのであれば(必要な貯金もしたうえで)増やしてもいいと思います。
毎月の家計ルーティン
最後にまとめとして、毎月の流れを確認します。
今月の予算19万円を予算配分↓
②現金支出系 9万円
③特別支出 2.5万円
①口座引落系は銀行口座にお金を入れたら自動で引き落ししてくれるので、特に何もすることはありませんよね。
残高不足にならないように、口座には余分にお金を入れておきましょう(貯金10万円を割り振るなど)
③特別支出は毎月2.5万円つみたてをして、特別支出に該当する支出があったら(毎月はない5,000円以上の支出)、ここから使います。
②現金支出系はさらに→食費3万円、その他4万円、お小遣い2万円と分けます。
そうすと、日頃意識するのは③現金支出系だけです。
食費3万円、その他4万円、お小遣い2万円をそれぞれのお財布や封筒に入れて、残高を軽く意識しながら月末までやりくりします(食費はさらに1週間5,000円でしたね)
こうすれば特に家計簿をつける必要もありません(もちろん、つけても構いません)
このお金でやりくりできれば、今月は黒字達成!ということです。
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今回は、ひとり暮らしの家計管理についてお伝えしました。
今回の内容を参考に予算配分を決めて、2、3か月やってみてください。自分にあった適切な予算が見えてくると思います。
現金支出系はさらに↓
食費はさらに↓
PS.
今回は、貯金については触れていません。貯金も含めた家計管理について知りたい方はこの記事を読んでくださいね↓
今日のお話は以上です。最後まで読んでくださってありがとうございました。
牛込伸幸