自分にあった保険の見つけ方【第3回】学資保険

自分にあった 生命保険の選び方 【学資保険編】

これまで生命保険(死亡保障)と医療保険についてお話してきました。今回は学資保険です。

学資保険は「子どもが生まれたら学資保険」というくらい定番の保険です。お子さんが生まれた場合、多くの方が一度は検討するのではないでしょうか。

ただ、今は金利が低いです。払った保険料に対して満期金はあまり増えません。なかには元本割れしてしまうものも。

今回もややこしい細かい話は抜きにして、そんな学資保険を理解するのに大切な大枠をお話していきます。

基本的なしくみを理解して、入るべきか?入るとしたらどれがいいか?見分ける方法を考えていきましょう。

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掛け捨てタイプと貯金タイプ

学資保険の説明に入る前に基本をご説明します。ここがわかると学資保険を選ぶポイントがわかります。

保険には「掛け捨てタイプ」「貯金タイプ」があります。

掛け捨てタイプの保険は保障期間が終わって何もなかったら「よかったですね!」で終わり。途中で解約しても、保障期間が終わっても1円も受け取れません。

一方、貯金タイプの保険は保障期間が終わると満期金を受け取れたり、途中で解約したとき、払った保険料程度かそれ以上の解約返戻金を受け取れます。学資保険、個人年金保険などがあります。

終身保険(一生涯の死亡保障)は満期がないので満期金はありませんが、保険を続ければいずれは保険金を受け取れますし、解約すれば解約返戻金があります。

ですから終身保険も貯金タイプの保険に分類していいと思います。

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貯金タイプの保険は銀行の定期預金のように金利の影響を受けます。

金利が高いときは払った保険料に対してたくさん満期金が受け取れます。逆に金利が低いときはあまり受け取れません。

これは、保険会社が集めた保険料を市場で運用するからです。

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また、一般的な保険は入ったときに将来、受け取ることができる満期金が決まっています。

ですから、入ったあとに金利が上がってもその恩恵は受けられません(配当がつく場合もあります)

逆に、金利が高いときに入って、その後、金利が下がったときはある意味お得です。解約や満期までその恩恵を受け続けることができます。

これを「お宝保険」なんていいます。

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まとめると「貯金タイプ」の保険は入るときの金利の影響を受けるということです。では、その貯金タイプの保険である学資保険のお話に入ります。

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学資保険のしくみ

冒頭でもお話したように、学資保険は「子どもが生まれたら学資保険」というくらい定番の保険です。

ただ、学資保険も「貯金タイプ」の保険で金利の影響を受けるので、今のような低金利の時代では存在が微妙な感じになっています。

いくら増えるか?はこう計算する(戻り率)

では、一般的な学資保険のしくみをご説明します。

例えば、保険料を毎月1万円、18歳(高校3年生)まで払って、大学などに進学するときに満期金を受け取ります。

なかには、中学、高校入学時にも満期金を設けている保険商品もあります。また、大学入学時と2年、3年、4年時に分割して満期金があるものもあります。

この場合、支払う保険料の総額は、毎月1万円を18年間ですから216万円です。

1万円×12か月×18年=216万円

これに対して、いくら満期金が戻るか?(戻り率といいます)これが学資保険を選ぶときの主なポイントになります。

払った保険料の合計と、受け取ることができる満期金を比べます。

例えば、戻り率110%という場合、216万円保険料を払って、満期金が237.6万円、プラス21.6万円ということ(税金は考慮していません)

216万円×1.1=237.6万円
237.6万円ー216万円=21.6万円

プラス21.6万円というといい感じがしますが18年間ですから。もし、入った後に金利が上がると、銀行の定期預金などに逆転されてしまうかもしれません。

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なかには「元本割れ」の学資保険もあります。払った保険料より満期金の方が少ない。

これは学資保険にも小さいですが保障がついているからです。

ぼくは元本割れする学資保険は入る必要はないと考えています。保障は掛け捨ての保険で対処するのが基本です。

学資保険の保障は何か?

これは、契約者(お父さん、お母さんにするのが一般的)が万一、亡くなった場合、以後の保険料の支払いが不要になって、満期金を予定通り受け取れることです。

先ほどのケースでいうと、毎月1万円の保険料を18年間払う場合、保険料の総額は216万円

そうすると、保障としては最大でもこの216万円ということになります。すごく小さいですよね。

かつての学資保険は被保険者(子ども)が万一、亡くなった場合に満期金が受け取れたのですが、少しでも満期金を増やすために今はこの保障はついていない保険商品が多いです。

被保険者(子ども)が万一、亡くなった場合は、それまでに払った保険料が戻って来るイメージです。

でも、これは問題ないですよね。子どもに万一のことがあったときに保険金を受け取ることが学資保険の目的ではないので。

学資保険の人気が根強いワケ

こんな学資保険ですが、意外と根強い人気があります。それは強制的に教育費のつみたてができるからです。

銀行の定期預金つみたては、銀行に通帳と印鑑を持って行けば解約できちゃいます。ネットやスマホで定期預金がカンタンに解約できる銀行もあります。

「車検のお金が足りない!」と解約してしまったなんて話も(笑)

また、引き落し口座に残高がなくて、つみたてが自然消滅!?してしまうことも。

一方、学資保険ならほどよいプレッシャーがつみたてを後押ししてくれます。

残高不足で保険料が引き落しできないと保険会社からハガキが届きます。保険代理店の担当の方からお電話が来るかもしれません。

また、解約は手間もかかりますし、途中で解約する場合、元本割れしてしまうこともあります。

こんな理由から、やってよかったという声もよく聞きます。

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今回は学資保険についてお話しました。

貯金タイプの保険についてもご説明しましたので、個人年金保険終身保険(一生涯の死亡保障)などほかの保険商品を検討するときも参考にしてください。

次回は、働けない状態が続いた場合の保険、就業不能保険についてお伝えします↓

自分にあった保険の選び方【第4回】病気やケガで働けないときの保険(就業不能保険)
ぼくが保険代理店で働いていたときの話です。お客さまとこんな話になることがありました。 「入院したときは医療保険がある。万一のときは生命保険(死亡保障)がある。でも、その中間が困るんですよね。退院はしたけれど、長いこと働けないと...

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牛込伸幸

「お金のことを気にしないで暮らしていけたらなあ」こう思って家計の勉強を始めました。もちろん、ちゃんと管理してですよ(笑)
銀行で7年、保険代理店で3年働いた後、2009年からFP事務所を始めました。どんなご相談でもお客さまの人生全体を見渡してトータルに考えるように心がけています。
趣味はジョギングとスーパー銭湯です。
【資格】日本FP協会CFP(R)・FP技能士1級

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