おはようございます。群馬県高崎市のファイナンシャル・プランナー(FP)牛込伸幸です。
今日も自分のできることを、たんたんとやっていきたいと思います^^
「銀行で貸してくれる金額と無理なく返していける金額は違う」とよく言われます。
例えば、年収700万円の場合、銀行は5,200万円くらい貸してくれると思います(夫単独、または夫350万円・妻350万円といった共働きの場合)
(期間35年・審査金利3%・返済率35%として計算)
5,200万円の住宅ローンは、期間35年・ボーナス払いなしで計算すると、毎月の返済額は金利によって以下のようになります↓
・金利0.5%で134,984円
・金利1.0%で146,788円
・金利1.5%で159,215円
今(2022年5月)なら、0.5%は変動金利、1.0%は10年固定、1.5%は全期間固定あたり。
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この金額は妥当か?考えてみます。
年収700万円の場合、税金や社会保険料を2割引かれるとすると、手取り年収は560万円ほど。
手取り月収は40万円、ボーナスは1回40万円といった感じでしょうか(割り合いと安定度は会社によって様々)
・手取り月収:40万円×12か月=480万円
・手取りボーナス40万円×2回=80万円
→合計560万円
家賃の目安は25%までと言われます(家賃の高い都会の独身新社会人でも30%には抑えたい)
手取り月収40万円の25%は10万円。金利0.5%・返済額134,984円でも、33.7%にもなります。
これでは何とか暮らしていけるとしても、クルマの買い替え、子どもの大学、老後などの貯金ができるのか?心配です。
また、全期間固定金利「以外」を選んでいる場合、金利が上がることも考えておく必要があります。
ボーナス払いはしない
ボーナス払いを組み合せる手もあります。でも、ボーナスにはボーナスの役割りがあります。
家具家電の買い替えや家族旅行、車検、年払いの保険料など、毎月はないちょっと大きな支出に対応する役割りです。
毎月では足りない貯金をボーナスでしている方もいらっしゃると思います。
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また、ボーナスは会社の業績によって急に減ることも考えられます。
リーマン・ショックのときは、安定してボーナスを出していた企業でも大幅にカットされました。
こういった経済危機は10年に1回程度、起きています(100年に一度の危機は10年に1回やってくる、という名言あり)
さらに言うと、今の時代、同じ会社でずっと働くかもわかりません。
住宅ローンの目安
ぼくは、住宅ローンの目安は、家族の手取り月収に対して、
・理想は20%
・目安25%
・30%を超えるキケン
と考えています(できるだけ25%に抑えたい)
先ほどの例でいうと、家族の手取り月収が40万円の場合、
・理想の20%は8万円
・目安の25%は10万円
・これを超えるとキケンという30%は12万円
となります(ボーナス払いはしない)。これは住宅ローンの借入額にすると(期間35年・金利1%で計算)、
・理想20%で2,900万円
・目安25%で3,500万円
・キケン水域30%で4,200万円
となります。冒頭の銀行が貸してくれる5,200万円とはかなりの開きがあります。
住宅ローンシミュレーション(住宅保証機構さんサイト)↓
https://loan.mamoris.jp/index.html
変動金利を選んでいい人
できるだけ多く借りるために、金利の低い変動金利や短期の固定金利を選んだり、期間を最長の35年にするのは、検討が必要です。
変動金利や短期の固定金利を選んでいいのは、返済に余裕のある人だけです(金利が上がっても大丈夫だから)
変動金利でないと返せないからという理由で、それを選ぶのは絶対にやってはいけないことです。
返済期間は65歳までに
返済期間は65歳までにするのが理想です。
例えば、30歳の方は35年(完済時65歳)、40歳の方は25年。
定年は60歳という会社が多いですが、65歳までの返済期間で当初、住宅ローンを組んでおけば、60歳時のローン残高はそれほど多くはありません。
繰上返済をしながら退職までに返すことも可能だと思います。
しばらくすると定年が65歳になることも考えられます。
今は60歳で退職して、その後は同じ会社に嘱託として再雇用するケースが多い。ただ、収入は7割~半分くらいになる方が多いようです。
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「住宅ローンは35年など長めに組んで、繰上返済すれば大丈夫ですよ」と言われることもあります。
たしかに、住宅ローンはあとで期間を延ばすことは基本的にはできないので(再審査になります)、余裕を持って組むのがセオリーです。
でも、これも限度があります。
子育てしながら少しずつ増える生活費、教育費を負担しながら、大学の費用や老後資金を貯めるとなると、そう簡単ではありません。
70歳や75歳までの期間でローンを組むと、繰上返済をしながら60歳で住宅ローンを返し終えることが難しくなります。
「退職金で返せばいいのでは?」と思いがちですが、退職時の残高が多ければ、老後資金の確保ができなくなります。
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今回は住宅ローンの限度額についてお伝えしました。
・毎月の返済額は、家族の手取り月収に対して、理想は20%、目安25%、30%を超えるキケン(ボーナス払いはしない)
・返済期間は65歳まで
まずはこの目安で計算して、それをたたき台に検討してみてはいかがでしょうか?
実際、ご家庭によって支出の割り合いはさまざまですから、それによって調整します(要は必要な貯金ができて、家計が回っていればいいですよね)
住まいに価値を感じるご家庭、お子さんの教育費に力を入れるご家庭、食費に、趣味に…と。
ぼくが住宅ローンのご相談をいただいた場合も、目安を計算したうえで、ご家族の状況によって調整しています。
PS.
「そうは言っても、この目安では物件が高すぎて買えません」という実情は理解しているつもりです。特に首都圏のマンションは高騰してますね。
でも、無理な住宅ローンを組むと、生活するだけで精いっぱいという人生になってしまいます。
その結果、老後の生活費が貯められなかったり、最悪の場合、途中で返せなくなってしまいます。
賃貸なら引っ越せば済みますが、住宅ローンを組んだ場合はそうはいきません。
無理をしてまで買う必要はないし、その物件・エリアを選ぶ必要はないと考えています。
家を選ぶときの参考にしてほしい記事です↓

変動金利を検討するときに参考にしてほしい記事です↓

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