おはようございます。群馬県高崎市のファイナンシャル・プランナー(FP)牛込伸幸です。
今日も自分のできることを、たんたんとやっていきたいと思います^^
住まいと住宅ローンの特集の第5回です。最初から読みたい方はこちら↓
https://fpushi.com/archives/740
今回は住宅ローンの変動金利についてお伝えします。変動金利には独特なルールがあります。
5年ルールと125%ルールです。これ、勘違いしやすいんです。
長らく超低金利が続いているので、あまり注目されていないのですが、変動金利を利用している方には今後を考えるとぜひ知っておいてほしいルールです。
では始めます。
変動金利の5年ルールとは?
住宅ローンの変動金利は半年に一度、見直しがあります。
もし、半年後に金利が上がったり下がったりしたら、すぐに毎月(ボーナス時)の返済額が変わると思いますよね。
でも、変動金利の返済額は5年間変わりません。
これが5年ルールです。
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「いきなり返済額が変わると家計に影響を与えるから…」と説明されることがあります。
でもちょっと待ってください。金利が上がって返済額を上げなかった分は誰が負担するのでしょうか?
銀行が負担してくれるのかな?と勘違いしそうです。でも、そんなはずありませんよね。
だったら変動金利でなくて、5年固定金利です。
そうです。金利が上がった分はもちろん住宅ローンを借りている人(債務者)が負担します。
・・・
毎月(ボーナス時)の返済額が変わらないのに、どうやって負担するか?
それは返済額は変えずに、その内訳の元金と利息の割り合いで調整します。
例えば、毎月の返済額が10万円の場合、
元金8万円・利息2万円だったのが、
元金7万円・利息3万円に変わるような感じです。
(金利や期間などによって割り合いは変わるのであくまでイメージ)
その結果、金利が上がった場合は、毎月同じ金額を返していても、元金(ローン残高)が当初の予定より減らないということになります。
変動金利の125%ルールとは?
変動金利は金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わらない(5年ルール)というお話をしました。
そして、6年目に返済額が変わるときも別のルールがあります。
それが125%ルールです。返済額アップは125%が上限になります。
例えば、毎月の返済額が10万円の場合、125,000円が上限になります。
もし、急激に金利が上昇していても、返済額はこの額までしか上がりません。
これも「急激に返済額が変わったら家計に影響を与えるから…」と説明されることがあります。
でも、もうおわかりかと思いますが、上げきれなかった分は銀行が負担してくれるのでなく、住宅ローンを借りている人が負担します。
銀行が負担してくれるとしたら、変動金利ではなくて、「上限金利特約付き変動金利」みたいになってしまいます。
あくまで変動金利なので、そんなことはないわけです。
未払い利息とは?
ちなみに金利が急上昇して、5年ルールや125%が適用されたとき、利息額が返済額を上回ることがあります。
この上回った分を未払い利息といいます。
5年ルール(返済額は5年間変わらない)で考えると、毎月の返済額が10万円だった場合、利息が11万円になるようなケースです(利息の方が1万円多い。これが未払い利息)
この場合、返済額10万円の内訳は、元金ゼロ、利息10万円(10万円返済しても元金は減らない)
そして、未払い利息1万円の返済は先送りされます。
最後はどうなる?
金利が上昇して、返済期限(最後の返済日)にローン残高が残っている場合はどうなるのか?気になりますよね。
その場合は返済期限に一括で返すことになっています。
銀行のパンフレットにはよく「返済できない場合は事前にご相談ください」と書いてあります。
もちろん免除になることはありません。
ただ、住宅ローンを当初の予定通り35年間コツコツ返す方は少ないので、あまり問題になったことがないのかもしれません。
たいていは途中で繰り上げ返済したり、退職時に一括で返済したりするので。
でも、今は住宅価格の高騰から無理な住宅ローンの組み方をしている方が増えているので心配です。
5年ルール、125%ルールを採用しない銀行もある
なかには変動金利の5年ルールと125%ルールを適用していない銀行もあります。比較的新しい銀行に多いようです。
これなら変動金利というより半年固定金利という感じですね。
住宅ローンで変動金利を選ぶとき、またはすでに利用している場合は確認してみてください。
変動金利と上手につきあう方法
ここからが大事なところです。
5年ルール、125%ルールのある銀行を利用する場合、金利が上がったら自分で繰り上げ返済するといいですね。
例えば毎月10万円返しているなら、125%ルールを参考に125,000円だと思って家計を管理します。
そして、差額の25,000円を毎月つみたてして、繰り上げ返済してもいいですよね。
繰り上げ返済手数料が無料でインターネットで手続きできるなら、毎月25,000円繰り上げ返済してもいいかもしれません。
こうしておけば、もし金利が上昇して返済額が上がっても対処できます。
変動金利を利用する場合は、このくらいの余裕を持って借りたいものです。
逆に、返済額が安くすむという理由で変動金利を選ぶのはリスクが高いです。
・・・
今回は住宅ローンの変動金利の独特なルール、5年ルールと125%ルールについてお話しました。
今後、もし金利が上昇することがあれば、社会問題になるような隠れたリスクだと思います。
事前に知ってリスクを回避したいところです。
※返済額の計算方法は金融機関によって異なります。詳しくは各金融機関にご確認ください(今回のお話は元利均等返済に関するものです)
次回は、住宅ローンの団信保険についてお伝えします↓
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