おはようございます。群馬県高崎市のファイナンシャル・プランナー(FP)牛込伸幸です。
今日も自分のできることを、たんたんとやっていきたいと思います^^
マンション価格は上がり続け、2021年度には首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンションの平均購入価格は6,360万円にもなったそうです(バブル期超え)
↓不動産経済研究所「新築分譲マンション市場動向」
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/504/2143s.pdf
6,000万円以上のマンションと言えば、ひと昔前なら「お金持ちが買うもの」という感覚でした。
でも今は、低金利と住宅ローンの審査基準の緩和で、住宅ローンが多く借りられるようになり、特別にお金持ちでなくても買えるようになっています(価格が上がってるから買うしかない!?)
でも、これ、本当に大丈夫なんでしょうか?今回はその実態と対処法をお伝えします。
審査基準の緩和(金利)
多くの銀行では、住宅ローンの審査では金利3~4%で審査していると言われます(審査金利と言います)
ある程度金利が上がっても返せるか?判断するためです。
例えば、年収700万円の人が借りられる住宅ローンの目安は5,200万円ほど。
(期間35年・審査金利3%・返済率35%として計算)
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でも、今は実際の金利を審査で使う銀行もあります(全期間固定金利の場合に多い)
実際の金利を使うと(全期間固定1.5%として計算します)、先ほどと同じ年収700万円の人で6,600万円ほど借りられます(審査金利3%の銀行と比べると1,400万円も多い)
(期間35年・審査金利=実質金利1.5%・返済率35%として計算)
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銀行の審査では、住宅ローンの返済額は年収の35%までとしているところが多いです。
年収700万円の場合、年間の返済額は245万円まで(700×0.35)。1か月あたり204,166円(ボーナス払いなし)
ただ、審査金利3%なら、実際の金利はもっと低いので(2022年5月)、最初から苦しいということはないのかもしれません(もちろん、楽ではない。ぼくは借りすぎだと思います)
先ほどの銀行が貸してくれる目安の5,200万円を計算すると↓
【5,200万円】・35年の住宅ローンを組んだ場合(ボーナス払いなし)、
・審査金利3%なら毎月200,122円
・今の変動金利程度0.5%なら毎月134,984円
かなりイメージが違いますね(実際は変動金利を選んだ場合、金利上昇リスクを抱えることになります)
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でも、実際の金利で審査をする銀行の場、最初から苦しい状況になってしまいます。
先ほどの実際の金利(全期間固定1.5%で計算)で審査する銀行で貸してくれる目安の6,600万円で計算すると↓
【6,600万円】・期間35年、今の全期間固定金利程度1.5%なら、ボーナス払いなしで毎月202,081円。これを実際に翌月から毎月返していくことになります。
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これだけでもかなり無理をしている感じがあります。
でも、これをさらに加速させる状況があります。それが住宅ローンの返済期間です。
審査基準の緩和(期間)
以前、住宅ローンは75歳までの期間でした。
40歳の人は最長の35年ローンが組めますが(40歳+35年=75歳)、45歳の人は30年まででした。
これでも長いなあと思っていたのですが、今は多くの銀行で80歳までになっています(定年が60歳から65歳に以降しつつあるからでしょう)
45歳の人も35年ローンが組めるということです(45歳+35年=80歳)
65歳を定年としても、まだ15年も返済が残ります。定年時の住宅ローン残高もかなり残っていると思われます。
【ケース】6,600万円・期間35年・金利1.5%(全期間固定)を45歳の人が借りた場合、
60歳時の残高は約4,083万円
65歳時の残高は約3,142万円
E-LOANさん住宅ローンシミュレーション(こだわりシミュレーション)
https://www.eloan.co.jp/home/sim/
住宅ローンの期間は余裕を持って組んで、繰上返済していけばいいと言われますが、そんなレベルではありません。
以前から「銀行が貸してくれる金額と無理なく返していける金額は違う」と言われてきましたが、この傾向がますます強まったと考えています。
もはや自分で考えるしかない。
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今は30歳前半で家を買う方が増えています。もちろんそれはいいのですが、この年代のご夫婦は正社員系で共働きのことが多い(特にお子さんを持つ前)
そうなると夫婦の収入をあわせて、かなりの金額を借りることができます。
単独で年収700万円という方は30代では多くないと思いますが、400万円と300万円といったご夫婦は数多くいます。
でも、この年齢の方の場合、今後の不確定要素が多くあります。
・今後も仕事を続けることができるのか?
・子どもの教育費を負担しながら、大学や老後のお金を貯めることができるのか?
といったことです。特に首都圏では中高一貫の私立に通う子どもも増えています。そうなると「貯め時」の小学校時代に受験塾に費用がかかることもあります。
もし、不確定要素があるなら、限度額まで借りるのでなく、無理のない範囲にすることが大切です。
もしくは、子育てをしながら仕事をが続けられることが確認できてから買うなど。
家は「買うは一瞬、返すは一生」と言います。一時の判断で、その後の家計がずっと苦しくなるような事態は避けなければなりません。
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今回は住宅ローンの審査基準の緩和で借りすぎのご家庭が増えているというお話でした。
住宅ローンをいくらまで借りて大丈夫か?はこの記事で詳しくお話しています↓
今日のお話は以上です。最後まで読んでくださってありがとうございました。
牛込伸幸
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