おはようございます。群馬県高崎市のファイナンシャル・プランナー(FP)牛込伸幸です。
今日も自分のできることを、たんたんとやっていきたいと思います^^
新学期が始まって少しすると高校3年生には「国の教育ローン」のパンフレットが学校で配られるかもしれません。
これは日本政策金融公庫(政府系金融機関)がやっている大学や専門学校、高校などの教育ローンですね。
民間銀行の教育ローンより一般的には金利が低く審査も緩いので、教育ローンの定番となっています。
ちなみに、子ども自身が借りて返すのが奨学金で、教育ローンは保護者(親)が借りて返すものです。
国の教育ローンと日本学生支援機構の奨学金(奨学金の定番)は併用も可能です。
では、国の教育ローンのポイントと注意点を見ていきましょう。
国のローンの利用条件
国のローンは、原則
・子ども1人あたり350万円以内(自宅外通学など一定の要件に該当すると450万円以内)
・期間は15年間以内(母子家庭・父子家庭など一定の要件に該当すると18年以内)
・固定金利で1.66%(2021年5月現在。要件により金利優遇制度あり)
・年収制限あり(子ども2人の場合、世帯年収890万円以内など※緩和条件あり)
国の教育ローン:日本政策金融公庫さんのサイト↓
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/ippan.html
奨学金:日本学生支援機構さんのサイト↓
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/index.html
連帯保証人か保証基金(保証料要)を選べる
今は連帯保証人をつける代わりに保証基金を利用することもできます(保証料が必要)
親御さんの兄弟など親戚にお願いするのは気を使いますよね。
ただ、保証料が結構します。100万円を15年で借りた場合、保証料は69,751円(2021年5月現在)。約7万円。
(元金据え置き期間のない場合。借りてすぐ返し始める場合です)
例えば300万円借りた場合、保証料約21万円差し引いた約279万円が口座に振り込まれます。ちょっと残念な気持ち。
保証基金のご案内↓
https://www.jfc.go.jp/n/finance/ippan/kikin.html
保証料のよくある勘違い
この保証料は勘違いしやすいので注意が必要です。
万一、返せなくなった場合、この保証基金が国の教育ローンに返済して、その後は、保証基金が借りた人に請求します。
つまり、借りた人からすると、借りた先が国の教育ローンから保証基金に変わっただけです。返さないといけないことに変わりはありません。
連帯保証人をつけなくて済む手数料みたいなものです。
教育費と自分たちの老後資金のバランス
子どもが希望したら進学させてあげたいと思うのが親というもの。
でも、教育ローンのお世話になると自分たちの老後資金の準備が影響を受けます。
ここはしっかりと検討してから利用したいところ。借り過ぎ注意です。
例えば、親が50歳のときに子どもが大学に入って教育ローンを期間15年で借りた場合、返し終わるのは65歳です。
子どもが大学や専門学校を卒業したあとは、老後資金や自宅のリフォーム資金を貯める最後のチャンスです。
その時期に教育ローンの返済があると、老後資金を貯め切れない可能性も。
何となく借りられるだけ借りてしまうと怖いことになります。
子ども1人あたり350万円で、2人700万円…と借りている人を見かけます。
子どもが大学を卒業すれば教育ローンの返済は問題ないかもしれません。でも、繰り返しになりますが、老後資金の準備が影響を受けます。
さらにお子さんが奨学金を利用すると、お子さんが返せなくなったときに親が支援できない可能性も(社会問題になっています)
教育ローンと奨学金全体で計画する必要があります。
ここまで教育ローンの説明をしてきてなんですが、ぼくのスタンスは教育ローンを利用しないのが老後資金を貯めるひとつの目安。
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今回は国の教育ローンについてでした。奨学金の注意点はこちらの記事で↓