おはようございます。群馬県高崎市のファイナンシャル・プランナー(FP)牛込伸幸です。
新社会人が知っておきたいお金の基本についてシリーズでお伝えしています。
学校では教えてくれない家計の知識をゼロからお話しています。
もちろん、新社会人の方に限らず家計の基本について学びたい方にも役立ちますよ^^
今回のテーマは貯金の始め方です。
学生時代のアルバイトは生活費や自分のおこづかいなど、毎月の支出をカバーすることが目的だったと思います。
でも、社会人になると長期的な視点で貯金をしていく必要があります。
クルマの購入、結婚資金、マイホームの頭金、子どもの教育費、最終的には老後資金など。
学生時代も貯金をしてスマホを買い替えるとか旅行に行くことはあったかもしれません。でも、金額の大きさが違いますよね。
社会人になったこのタイミングで「カチッ」と切り替えて貯金の習慣をつくることが大切です。
そうでないと、クルマを買うときは自動車ローン、家を買うときは全額住宅ローン、子どもが大学に入ったら教育ローンとなって、そのしわ寄せは老後にきます。
ちょっと心配させるようなことをいってしまいました。
でも、大丈夫です。
貯金計画をつくって、お給料が入ったら先に貯金をして、残った分で暮らす練習をしていけば、それが当たり前になります。
これが貯金の習慣、貯金体質の家計です。
もちろん、貯金のしすぎはよくありません。今の暮らしとのバランスも大事です。勉強(自己投資)も大切です。
それでは貯金の始め方について具体的にお話していきます。
手取り収入の1割を貯金する
新社会人や20代前半のお給料はやはり高くはありません。
国税庁が2019年に行った「民間給与の実態調査」によると平均年収(額面)は、
・20~24歳:264万円
・25~29歳:369万円
例えば、毎月のお給料が額面で20万円とすると、税金や社会保険料(健康保険・年金など)を引いて、銀行口座に振り込まれる手取りはその8割の16万円ほどかと思います。
20万円(額面収入)×0.8=16万円(手取り月収)
この16万円から家賃や公共料金、食費といった生活費を出して、人によっては大学の奨学金の返済があったりするかもしれません。
ですからまずは「手取り収入の1割」を目指しましょう。
16万円×0.1=16,000円
・・・
収入の1割を貯金するパワーはすごいです。
平均的なサラリーマンの生涯年収は2億円とよくいわれますが(ひと昔前は3億円だった)、1割貯金し続ければ2,000万円貯まります。
老後資金が貯まりますね。
もちろん、若いうちから老後のお金を貯める必要はないのですが(ほかに優先すべき貯金があるので)、1割の貯金をするパワーはご理解いただけると思います。
1割は少し意識すればできる金額です。
これをやるかやらないかで60歳、65歳までに2,000万円もの差になるということです。
・・・
話を戻します。
手取り収入の1割で16,000円。このくらいの金額なら、お給料が出たら先に16,000円貯金してしまって、なかったものと思ってその残りで暮らすこともできると思います。
もし、これでキツイ場合は支出を確認してみる必要があります。
生命保険に入りすぎているとか、通信費が高いとか(今は安いプランがありますよね)、いろいろ工夫はできると思います。
・・・
逆に、実家から通ったり、会社の寮に入ったりしている人はその分、貯金に回すこともできます。
そんな場合は手取り収入の2割を目指しましょう。
収入が上がっても生活水準は保つ
そして、年収が上がったら生活水準を上げずに貯金を増やしていきます。これが家計管理のコツです。
平均年収は、
・20~24歳:264万円
・25~29歳:369万円
でしたね。
収入が増えるとその分、生活水準を上げてしまう人がいて、こうなってしまうといつまでたっても貯金ができません。
20代後半や30代前半で独身だと、人生全体で見ると、かなり余裕があるはずですから。
そのときはそうは思わないものですが(笑)
貯金は専用口座で
貯金はお給料が振り込まれる口座とは別に専用の口座を作って、そこに入れていってください。
そうしないと区切りがつかないので、何となく使ってしまいます。
お給料が出たら16,000円を引き出して貯金口座に入れます。
毎月これをやると、貯金が着実に増えていくことが実感できます。
そして、残った分で暮らすぞとやっていきます。
手取りが16万円で16,000円貯金するので、残りは14万4千円ですね。
最初の貯金は「じぶん保険」
最初の貯金の目的は、もしものときのための貯金です。ぼくは「じぶん保険」と呼んでいます。
病気やケガで長期間働けなくなるとか、経済危機でボーナスが出ないとか、会社が倒産してしまうといった万一のときに備えるお金です。
最近は「貯金ゼロ世帯」が結構いるなんていわれますが、これでは何かあったときに一気に家計が破綻してしまいます(綱渡り家計)
実際、何も起こらないことの方が多いのですが、もしものときのお金を確保しておけば、安心感を持つことができます。貯金をしているという自信も生まれます。
この気持ちのゆとり、生きていくうえですごく大切です。
・・・
じぶん保険の目安は生活費の3~6か月分です。
例えば、先ほどの例で生活費が毎月14万4千円とすると(手取り収入16万円ー貯金16,000円=14万4千円)、生活費3か月分で43万2千円。
キリ良く50万円です。
できれば6か月分100万円を目指したいところです。
ただ、最初から100万円と考えると「そんなのムリ」と思ってしまって始められないので、まずは貯金専用口座に10万円、次に30万円、50万円、100万円と小分けにした目標でやっていくといいと思います。
普通預金でOK
何で運用したらいいですか?とよく質問いただきますが、もしものときの「じぶん保険」は元本が減らなくて、引き出しやすいものが基本です。
ぼくは普通預金でいいのではと考えています。
定期預金でもいいのですが、利息はたいしてつきませんし、引き出すのがちょっと手間です。
・・・
投資信託に興味がある若い方も多いのですが、この目的で使うことはおすすめしません。
いざというときに値下がりしていることがあるからです。
こういったものは「じぶん保険」的な貯金ができたあとに、やりたい人がよく勉強してから自己責任でやってください。
(否定しているわけではありませんよ。これからはこういった知識も必要)
・・・
会社の財形貯蓄の制度どうですか?と質問されることがあります。
お給料から引かれるので強制的に続けられるメリットはありますが、いざというとき会社に申請しないと引き出せません(逆にメリットにもなるけど)
また、税経には利息に税金がかからない(非課税)種類もあるのですが、今は低金利で利息は雀の涙なのでそのメリットは感じられません。
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会社の持株会(会社の株を少しずつ買う制度)もこの目的ではおすすめできません。やはりすぐに引き出せないからです。
さらに持ち株会はリスクの集中にもなります。
自分ががんばって会社の株を上げるという考え方もできるのですが、会社の業績が悪くなったときにお給料が下がって、ついでに株価も下がるなんとことになりかねません。
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今回は新社会人の方のための貯金の始め方についてお伝えしました。
・手取り収入の1割を貯金する
・貯金専用の口座を作る
・収入が上がっても生活水準は上げずに貯金を増やす
・最初の貯金の目標は「じぶん保険」
・普通預金で十分
PS.
奨学金を月に3、4万円と返している方を見かけます。こういった方はまずは奨学金の返済を最優先に取り組んでください。
今日のお話は以上です。最後まで読んでくださってありがとうございました。
牛込伸幸
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