今回は住宅ローンの借り換えをご説明します。
繰り上げ返済は今借りている銀行に毎月の返済とは別に追加で返すことですが、
借り換えはA銀行で借りていた住宅ローンをB銀行に変更することです(B銀行の審査があります)
金利が高い銀行から低い銀行に借り換えすることでメリットがでます。
金利差が0.5%や1%でも残高や残り期間によって数百万円のメリットが得られることがあります。
具体的なケースを使って見ていきましょう↓
借り換えメリットの考え方
現在の住宅ローンの状況
・残高3,000万円
・残り期間30年
・現在の金利2%
・毎月の返済額110,885円
これを金利1%の銀行で借り換えると(金利差1%)、同じ条件で
毎月の返済額は96,491円になります。
毎月の差額は14,394円、1年間で172,728円になります。
もし、現在も全期間固定金利で借り換え後も全期間固定金利だとすると、残り30年間の差額は約518万円にもなります。
借り換えには数十万円の諸費用(住宅ローンの費用や登記費用など)が必要ですが、これならそれを差し引いても十分なメリットがあります。
以上が借り換えの基本的な考え方です。
お借り換え試算シミュレーション(三井純友銀行)
https://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/karikae_sim.html
借り換えのパターン
先ほどは今も借り換えたあとも全期間固定金利という前提で、金利差が1%ある場合で計算してみました。
これであれば今後も金利が変わることはないので、メリットを確定できます。
でも、全期間固定金利から変動金利や短期の固定金利に変えて繰り上げ返済した場合、今後、金利が上がるリスクを抱えることになります。
借り換えた直後は毎月の返済額が減るけれど、今後、金利が上がると、前よりも増えてしまうということです。
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ぼくが銀行で働いていた2000年頃は、住宅金融公庫(今のフラット35)の全期間固定金利4%を変動金利2%で借り換えることがブームになりました。
その後、金利が上がることはなかったので、このパターンで借り換えた方はメリットを受けることができました。
しかもその後、さらに銀行の金利下げ競争があって、2回、3回と借り換えをする方もいました。
また、全期間固定金利も下がったので、全期間固定金利から全期間固定金利への借り換えも盛んでした(銀行が長期の固定金利を積極的に扱い始めたという背景もあります)
今は(2021年1月です)全期間固定金利が低いので、変動金利や短期の固定金利を全期間固定金利に借り換える方もいます。
こうすることで、将来の金利上昇リスクを解消することができます。
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今回は住宅ローンの借り換えについてお伝えしました。
メリットの計算が難しそうと思ったかもしれません。
でも、大丈夫です。銀行に依頼すればわかりやすい資料を作ってくれます。
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最後に補足的ですが、借り換えを決定する前にダメもとでやってほしいことがあります。
それは今の銀行との金利交渉です。
原則として固定金利の期間中は金利タイプを変更できないのですが、銀行としても借り換えされてしまうよりは…と応じてくれることもあります。
実際、何人かのお客さまから聞きましたよ。
借り換えには数十万円の諸費用が必要なのでやる価値ありです。
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また、今は手数料を払うことで金利タイプなどを変更できる銀行もあります。
変動金利を固定金利に変更したり、固定金利の期間中に変動金利や別の固定金利に変更したりといったことです。
利用している銀行にこのしくみがあるか?手数料はいくらか?確認しておくといいですね(手数料無料の場合もある)
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それでは今日のお話は以上です。最後まで読んでくださってありがとうございました。
牛込伸幸
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